乳がんの方へのアロマセラピー施術(50代の患者様)
乳がんの方へのアロマセラピー施術(50代の患者様)
がん診療連携拠点病院で行いました50代前半の乳がん患者様へのアロマセラピー施術の記載です。
左乳がんの温存手術を無事に終えられたA様は、過去にさまざまなご病気をされた経緯がありました。
アロマセラピートリートメントをお受けになられたご経験はなかったものの、ご自宅でハーブを育てていらっしゃるなど、アロマには関心がおありのご様子でした。
主訴は気分の落ち込み、不安感、肩こりや首こり、冷え、そして五十肩にも悩まされていらっしゃいました。それから、同室の患者さんのいびきで、入院中、良眠もとれていない・・・との訴えもありました。
A様は、アロマ施術前のコンサルテーション時、これまでの生活や心境について堰を切ったようにお話になられました。
ご家族からは、『なってしまったものは考えてもしょうがないよ〜!』と言われるものの(悩んでいらっしゃるA様に対してのご家族からの精一杯の励ましですね!)、どうしても頭の中で病気について悶々と考えあぐねてしまう・・・と。
これまでさまざまなご病気を経験され、被災も乗り越え、やっと体調も回復した矢先に乳がんの診断を受けられたA様。
A様のお話を伺い、長期間に渡ってストレスにさらされて来られたことがよくわかりましたので、この日の、このアロマの時間だけは、短時間でも悩みを忘れてリラックスいただきたい・・・と思いました。
また、手術をした左側の腕が上がらないことを大変気にされていらっしゃいましたので、関連する筋肉の張りを緩めるよう、丁寧に細かいアプローチを行いました。
35分間のアロマ施術後、A様は、
『わぁ〜〜動く!!こんなに肩がよく回る!!すごい!!』
とトリートメント後に左肩を回しながら、何度もおっしゃられました。
『アロマがこんなに良いものだとは思わなかったです!』と笑顔のA様。
翌日、主治医の先生から、『リハビリでは上がらなかった左腕がアロマを受けた後に上がるようになったんです!一日経っても肩の調子が持続されています♪』と大変満足そうにされておられたとの報告を受けました。
補完代替療法としてのアロマセラピーは、治療ではありません。
私はA様の左肩を治そうとアロマ施術を行ったわけではなく、『少しでも楽になっていただきたい』という気持ちで、身体を、心を緩めるようトリートメントをさせていただいたのです。
補完代替療法は治療にとって代わるものではなく、治療を受ける患者様をサポートするものです。
アロマ施術を併用することで、不快な症状がやわらぎQOLが向上すれば、より前向きに治療を受けていただくことができます。
乳がんの術後は、筋肉や関節がこわばって動かしにくくなることを防ぐため、入院中から指やひじ、腕や肩の関節を動かすリハビリを行います。
そして、上がった腕を維持するため、またリンパ浮腫の予防につなげるためにも、術後1年程度はこれらのリハビリを続けることが理想とされています。
A様にとって、入院中に術側の腕が上がったという体験ができたことで、退院後のリハビリにも積極的に取り組んでいただけるのではないかと感じました。
※がんの方へのアロマセラピートリートメントは、普通のアロママッサージを行うのと違い、より多くのことに配慮しなくてはなりません。
がんの方へ施術を行うアロマセラピストは、アロマの専門知識と技術の他、解剖生理や病気の知識をしっかりと身につけている必要があります。
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